オレ流超人批評
第17回 キン肉マンソルジャー
王家の英才教育に反発し、家出をしたスグルの兄
その威風あふれる人格はまさにカリスマ
提唱するは“真・友情パワー”!!
What's キン肉マンソルジャー
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| 『キン肉マン』という作品において、『キン肉星王位争奪編』というシリーズは、オレ的には評価が高くありません。長期連載におけるネタ切れというか、マンネリというか、一世を風靡した物には必ず訪れる衰退期を連想させるからです。まあ主な要因は敵ボスであるフェニックスの、あまにりもセコく小ズルい小悪党さにあるのですが。 そんな『王位争奪編』において高く評価できるのが、このキン肉マンソルジャー(キン肉アタル)の存在でしょう。彼は主人公であるキン肉マンの兄という、最終兵器的な設定で登場しました。しかもキン肉マンが生まれる前に、キン肉王家の英才教育に嫌気がさし、キン肉星の王子という肩書きを捨てて家出をしたという、かなりベタな過去まで持っています。ロビン王朝の英才教育に反発して家出をした、ケビンマスクと少しかぶりますね。 親に抗って家出をして24年、彼は己の行動を反省し、弟の最大の危機に帰ってきました。正体を隠してキン肉マンソルジャーと名乗り、王位争奪団体トーナメント戦に参加したのです。その参加目的の大きな理由として、弟であるキン肉マンを陰からサポートすること、“馴れ合い”化しつつあった正義超人軍団の友情パワーに活をいれることがあげられます。このソルジャーの行動により、『王位争奪編』のドラマ性はぐっと深まることができました。もしソルジャーの存在がなければ、この『王位争奪編』はただ悪党と格闘するだけの、それこそ救いようのないシリーズとしてその最後を飾ったことでしょう。 ではストーリーに厚みを持たせた以外の、彼の功績とはなんでしょうか。オレは以下の3点を評価しています。 @あぶれキャラクターの引き受け役 ただでさえこのシリーズは「5人=1チームの勝ち抜き団体戦」というルール的縛りがありました。そのせいでキン肉マンチームに入れるキャラは限られてしまうんですよ。すると当然、主要キャラなのにどうしてもあぶれてしまうキャラがでてきてしまうわけです。そのあぶれキャラを活躍させるためには、彼らを束ねるカリスマがもう一人必要になるのです。それがキン肉マンソルジャー(アタル)だったわけです。つまりキャラを効果的に活躍させるために、増えすぎた正義超人を2チームに分けたんですね。 そのあぶれたキャラ・・・といっては失礼ですね(笑)。選抜されたキャラの面子のすごいこと。
はい、伝説のユニット『超人血盟軍』のできあがりです。当時ザ・ニンジャの選抜には「?」でしたが、その後の異様にかっこいい活躍ぶりをみればいかに凄まじい面子かわかるでしょう。ソルジャーが彼ら4人をスカウトにいく話があるのですが、あの話はマンネリ化しつつあった『キン肉マン』において、久々にドキドキさせられましたね。彼らの持ち味を存分に発揮させたソルジャーのカリスマ性は、高く評価してよいと思います。 A「真・友情パワー」という近親イデオロギーの提唱 やみくもに助け合うというきらいのあった、スグルたち正義超人が標榜する「友情パワー」を馴れ合いと切り捨て、超人一人一人の固い自立心と信念なくしては真の友情パワーは生まれないという考え方を彼は「真・友情パワー」呼んだわけです。これは単なる善悪の構図ではなく、善の思想をさらに発展させた近親イデオロギーでした。つまり善と善との対立という、『キン肉マン』という作品にしては珍しいパターンを演出させたのです。これもマンネリ打破という面においては、大きく評価できると感じるわけです。 Bスケープゴートとしての役割を完全遂行 彼の最終的な役割は、弟スグルの精神的成長を促すこと、新必殺技のヒントを与えること、そして怒りのパワーを生み出すために、フェニックスの策略にはまって死ぬことでした。つまりストーリーを盛り上げるための、スケープゴート(生贄)だったわけです。彼はその全てをそつなくこなし、大きくストーリーを盛り上げてくれました。『王位争奪編』におけるピークは間違いなくこのソルジャーVSフェニックスでしょう。オレ的には評価の低いこのシリーズですが、ここだけは高く評価できるのです。 ただせっかく彼が盛り上げた流れも、その後のフェニックスの小細工の連発で無駄になってしまいましたね。そう考えるともったいなかったなあというのが率直な感想です。結果的には残念でしたが、彼個人の功績は素晴らしいと思いますよ。1キャラとしての成功度でいえば、かなり満点に近いのではないのでしょうか。 ※今回はサトシさんからリクエストをいただきました。ありがとうございました。 (2005年3月5日) |